食用はちの子
食用はちの子
食用はちの子
はちの子ってなに?
養蜂家には分かりきったことですが、本協会もNPOとして認可された以上は、養蜂にはまったく無縁であった方々もこのホームページをご覧になるかも知れませんので、少し詳しくご説明いたします。
一般的には、いろいろな蜂の子供(幼虫)のことですが、私達が扱うのは、ミツバチの幼虫(特に雄蜂の羽化直前のもの)です。ハチの子は、中国では古くから食べる習慣があったようですが、わが国でも一部の地域(長野県や山梨県、岐阜県)では主にジバチと呼ばれるクロスズメバチの巣を、独特の方法で探し出し文字通り地中にある蜂の巣を掘り出して、食用にしてきました。時折テレビなどでも紹介されますから、ご覧になった方もあるでしょう。利用法としては、佃煮が一般的で、山里の珍味として愛好されているようです。
また、大変危険を伴いますが、オオスズメバチやキイロスズメバチの巣を取って、大人の親指ほどもある幼虫をバター炒めにすると、美味しいのだそうです。
野生のハチは、取れる季節が限られ、数量的にも、安定供給が難しいのですが、ミツバチのハチの子は、計画的に雄蜂を多く作ればよいのですから、たいした危険もなく、一定の品質を保って取ることも可能です。
はちの子の栄養成分
ミツバチの幼虫は、当然のことながら、蜂蜜と花粉で育てられます。しかし、蜂蜜は主にカロリー源となりますから、はちの子の栄養成分はローヤルゼリーと同様、花粉に由来すると考えられます。日本食品分析センターの資料によれば、100gあたりの各栄養素の概要は次のようになります。
アミノ酸 42.25% 総ビタミンC 488mg
ビタミンA 20 IU リン 451mg
ビタミンD 8250 IU カルシウム 83.1mg
ビタミンB1 0.71mg 鉄 7.72mg
ビタミンB2 1.83mg 亜鉛 68.3mg
パントセン酸 2.37mg セレン 0.07ppm
はちの子の主成分はアミノ酸
以上の数字から分かるように、半分近くがアミノ酸です。たんぱく質ではなく、アミノ酸である所が特異的な所で、成虫になってしまうと、これらがすべてたんぱく質となります。それはそれで良いのですが、より小さい単位であるアミノ酸のほうが、有用であるのは、たんぱく質はアミノ酸にまで分解しないと、使うことができないからです。しかも、体内では合成できないため、食べ物から摂取しなければならない必須アミノ酸(8種類、子供では9種類)を全て含んでいます。
その他、ビタミンやミネラルも豊富ですが、これらは総合的に身体の維持調整に、特に鉄は貧血に、亜鉛は味覚の改善に、そして亜鉛とセレンは男性の精力に関係が深い事はご存知の通りです。
はちの子の薬効
成分表を見るまでもなく、健康増強に有効であろう事は、容易に想像できますが、はちの子の粉末を使って実験をした、北京医科大学中西医学結合研究所の李順生教授の研究によると、①健脳増知効果、②益気助陽効果、③抵抗免疫増強効果が確認されたということです。漢字ばかりで分かり難いので、少し説明をしましょう。①の健脳増知効果とは、ラットの実験によると、水をはった迷路を通過する時間が半分になったり、脳の酸素が不足した状態でも活動が極度に低下しなかったのは、脳組織の増強によると判断されるということです。②の益気助陽効果とは、全身の気の巡りを良くし、、体力衰弱、倦怠感、脱力、冷え、性能力減退などを改善するということです。③は読んで字の如しです。まとめとしては、「脳の働きを高め、記憶力を増し、ノイローゼを解消し、防ガン、抗ガンの効果があり、寿命を延ばし老化を予防し、精力を強くする」ということになります。難しい事は別にしても高齢者や病人の体力低下や衰弱を補う作用がありそうです。
そのほかには以下のような効果を体験した人がいるようです。
白髪、ハゲ、抜け毛が改善され、肌がきれいになった。
耳鳴り、難聴、めまいが改善した。
夜間のトイレの回数が減り、熟睡出来るようになった。
生活習慣病(高血圧、糖尿病、心臓病、など)がよくなった。
生理不順、生理痛、更年期障害が改善した。
疲労回復、カゼの予防
まとめ
一般の方にとっては何時でも手に入るものではないかも知れませんが、養蜂家には、時として邪魔者扱いされる雄蜂ですが、少しでも捨てたりせずに、丁寧に集めれば、ドンブリ一杯位ならすぐ集まります。集まれば高価なものです。大切にしましょう。